気候変動により作物の選択が揺らぐ今、「国産カカオ栽培」という新たな農業の可能性が静かに注目を集めています。本セッションでは、世界的チョコレートブランド「Minimal」の山下貴嗣氏と、宮崎県で国産カカオの栽培に挑む「宮崎カカオ」大田原英一氏が登壇。日本で育て、日本でつくるチョコレートが、農業・地域・文化にどのような未来をもたらすのか、現場のリアルとビジョンを語ります。
東京発のBean to Barチョコレートブランド「Minimal」を世界的ブランドへと育てた山下貴嗣氏。赤道直下の農園とつながり、100%フェアトレードで買い付けたカカオを自社工房でチョコレートに仕立て、国際品評会での連続受賞・アジアNo.1・世界第2位という実績を築き上げました。
一方で、宮崎カカオの大田原尊之氏は「日本の気候でカカオを育てる」という挑戦に宮崎で取り組み、すでに収穫・発酵・乾燥まで国産で完結する新しいカカオ文化を確立しつつあります。本セッションでは、グローバル×ローカル、それぞれの立場から語られる 「チョコレートと地域」「クラフトマンシップとスケーラビリティ」「100年続くブランドの条件」 を通じて、日本における新しい食の可能性を探ります。
山下 貴嗣 Minimal – Bean to Bar Chocolate – 代表(株式会社Bace 代表取締役 )
カカオ豆からチョコレートまで一貫し製造する「Bean to Bar」製法のスペシャルティチョコレートブランド「Minimal – Bean to Bar Chocolate –(ミニマル)」を設立。都内に4店舗EC2工房を運営。赤道直下のカカオ農園に自ら訪れ、100%フェアトレードでカカオ豆を買付ける。チョコレート国際品評会で日本初の部門別金賞など10年連続102賞受賞。アジアNO,1、世界第2位の評価も獲得。カカオとチョコレートを取り巻く貧困解決、クラフトマンシップとスケーラビリティの両立を目指し、100年続く新しいチョコレート文化創りに奮闘中。
大田原 尊之 宮崎カカオ農園代表
高品質カカオ豆でつくられるクラフトチョコレートの魅力にハマり、自分でこだわりの国産カカオ豆をつくりたいという思いが高まった結果、3年間勤めた宮崎県庁を辞めてカカオ栽培を始める。